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この記事では老後2000万円問題とは?で触れた取り崩し運用について詳しくお伝えしていきます。
人生100年時代と言われている今、老後の期間が自分の想定よりも長くなることも十分ありえます。
今後、医療の進歩により、ますますどうなるかは分かりません。
その結果、老後の資産が足りなくなってしまった!なんてことにならないように、つみたて運用にだけ目が行きがちな資産運用ですが、その後の使い方についてお伝えできればと思います。
長期間の我慢強い、つみたて期間を経て、晴れてはじめに設定した目標金額に達したあとはお金を使っていくだけ…と思っている人が多いのではないでしょうか?
つみたて投資を終えたら、いよいよセカンドライフのスタート!
これまでせっかくコツコツつみたてて増やしてきた資産を、ただ現金化して銀行に移して切り崩していくだけ!なんて話ではないことが、この記事を最後まで読んでいただければ分かります。
長期投資と聞くと、つみたて投資の話ばかりに目が行ってしまいがちですが、実はつみたてが終わった後の運用も含めた長期間の運用が鍵となります!
資産寿命を延ばす、とはどういうことでしょうか。
図1に、毎月5万円を35歳から65歳まで30年間積立を行った結果を示しました。
1969年からの2021年の末までのMSCIワールドインデックスの年率リターンを参考に、6%の定率運用で計算をした結果となっています。
65歳まで30年積立を行い、65歳から毎年年末の残高から定率で5%だけ取り崩す運用を行った結果も同じく図1に示しました。
実際の運用では、このように定率で6%の運用が継続することはありませんが、仕組みを理解するうえで参考にしていただければと思います。

注:運用利回り6%定率, つみたて期間30年, 取崩し率5%にて計算
図1 積立投資+取崩運用シミュレーション
黒色の線グラフは、64歳まで毎月5万円の現金で積立を行い1,800万円まで到達し、その後も運用をせずに資産を使っていった場合の資産残高を表したものとなります。
一方、棒グラフは6%の定率で増えると想定した投資信託に投資し、65歳から運用を続けながら資産を使っていった場合の資産残高を表したものです。
また、赤色の線グラフは65歳以降に取り崩した資産の累積金額を示しています。表1には、図1の具体的な金額を示しています。
表1 積立運用と取崩し運用の運用結果詳細

このシミュレーション結果を見ると、35歳から30年間の場合、65歳時点でのつみたて終了時の資産残高は4,743万円となりました。
これを毎年資産残高の5%ずつ切り崩していった場合、30年後の資産残高は5,807万円となり、取り崩した総額は8,052万円となりました。
この二つの金額を足し合わせると、なんと総額1億円以上の資産を作ることができると計算できます。
図1の黒色の線グラフを見ると、運用をしなかった場合では、貯めたお金を使うだけですから、当然資産はどんどん減っていき、運用しながら使う金額と同額を使いつづけると、たった7年で底をついてしまっていますね。
しかしながら、運用を続けながら、使う方法である取崩し運用の場合は残っているお金が増えてくれるパワーがあるので減りにくい資産になる可能性があることがわかりますでしょうか?
つまり、これは資産の寿命を延ばすということになります。
老後を迎えて、淡々と減り続ける銀行口座の残高を見ながら暮らす老後は嫌ではありませんか?
そんな方は、短期的な変動はあるものの、長期的には資産寿命を延ばす可能性のある取崩し運用を取り入れると、老後の不安を軽減することができると思いませんか?
とはいえ、増えるよりも早いペースで資産を使っていっては寿命を延ばすことはできません。
取崩し金額は具体的にどのように設定したらいいのでしょうか?
私たち推奨している取り崩しのルールは、年末の資産残高の5%だけ、というものです。
図2は1802年から2012年の200年間のアメリカの株式の投資の平均年率リターンを表したものです。
過去200年間の株式投資の平均リターンは年率6.6%となっていることがわかります。

<出典 Stock for the Long Run(Jeremy Siegel / McGraw-Hill)>
図2 1802年から2012年までのアメリカにおける株、長期債券、短期債券、金、現金の実績リターン
これは過去のデータであり、未来も必ずこうなるというものではありませんが、私たちが今後の投資によるリターンを期待するうえでは無視できないデータです。
この年率6%の増える力を利用して、5%分だけ取り崩して使うことで、増える余力を約1%程度残すという考え方です。
これによって、減りにくい資産が作ることができる可能性があるという理屈になります。
我々は5%の取崩しを提唱していますが、これは人によって割合を変えても良いと考えています。
ここまででつみたて投資の肝は長期の積立とその後の取崩運用にある、ということはご理解いただけたかと思います。
これまでの話を聞くと、50代後半、さらには60代、70代の方は長期の積立期間を確保できないので、私は投資が無理かな?と思う方がいらっしゃいます。
しかしながら、そんな方にも朗報です。長期の積立期間を設けなくても、長期の運用を実施する方法はあります!
ただし、長期の積立期間を持てないシニアの場合は、老後の生活を支えるほどの運用を実施したい場合は、ある程度のまとまった投資資金が必要となるという条件が付くことはご了承ください。
長期投資とは、つみたて期間だけでなく、取崩し期間も含めた期間が最低でも10年以上確保することがリスクを下げるためには必要となってきます。
50代、60代、70代の方でも、一般的な平均寿命から逆算すると、10年以上の期間を確保することができますよね。
積立期間を無しとし、取崩し期間で長期の資産形成を行うという一例を図3に示しました。

注:1,000万円一括投資, 運用利回り6%定率, 取崩し率5%にて計算
図3 一括投資+取崩運用シミュレーション
図3は積立期間はなく、1,000万円を一括投資し、その後一年間だけ使うことなく、その後に5%の取崩し運用を実施するというものになります。
こちらも、図1のシミュレーション同様にMSCIワールドインデックスを参考に6%の定率運用で計算を行っています。
青色線グラフの年間の取崩し金額を見ると、約50万円から60万円程の取崩しを実施しながらも、オレンジ色の棒グラフは減らずに微増していくことが分かります。
最終的に、グレーの棒グラフが示すように取り崩した合計は約30年間で1,600万円程度まで到達しています。
つまり、1,000万円投資し、取崩しながら1,600万円使い、最後に約1,200万円資産が残ったので、1,000万円の投資資産が2,800万円まで増えたこと確認することができました。
このように、定年を迎えて退職金などまとまった資金が手元にある方は、確かに長期の積立期間は設けられませんが、長期の取崩し期間は平均寿命から考えると、ほとんどの方が確保できることが分かります。
長期投資の方法を理解することができれば、60代、70代からでも運用は間に合うと考えています。
今回の記事では、つみたて後の資産運用の効果についてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。
平均寿命が長くなり、人生100年時代と言われているいま、資産の寿命についても考える必要があります。
資産形成のご相談がございましたらお気軽にご来店ください。大切な資産を守るお手伝いをさせていただきます。
<この記事を書いた人>
さくらファミリー株式会社 今井 唯
2級ファイナンシャルプランニング技能士
趣味は絵を描くこと。見やすい、読みやすい図や表を使って記事を書くようにしています!
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