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リスクとリターンは今も昔も変わらない ― 「個人年金だから安心」ではなく、中身で「何を買っているか」が大事(足利市・太田市・佐野市)

リスクとリターンは今も昔も変わらない ― 「個人年金だから安心」ではなく、中身で「何を買っているか」が大事(足利市・太田市・佐野市)

「個人年金なら安心」「保険だから大丈夫」。そんなイメージを持っている方は、少なくないかもしれません。けれども、個人年金は、あくまで「お金を運用するための器(仕組み)」です。その器のなかで、何が運用されているのかによって、リスクも、リターンも、まったく違ってきます。

金融の世界では、昔から変わらない原則があります。それは、「リスクが大きいものは、期待できるリターンも大きく、リスクが小さいものは、リターンも小さい」という関係です。このコラムでは、公的なデータをもとに、この関係と、個人年金を選ぶときの考え方を整理します。

このコラムのポイント

  • 個人年金は「器」で、中身(運用対象)によって、リスクとリターンが決まります
  • 債券は値動きが小さく、リターンも小さい。株式は値動きが大きく、リターンも大きくなり得ます
  • 定額型(一般勘定)は債券中心、変額型(特別勘定)は株式などを含み、元本割れの可能性があります
  • 「個人年金だから良い」のではなく、「何を買っているか」「そのリスクを取れるか」が大切です

個人年金は「器」。大事なのは、中身


個人年金保険には、運用の仕組みによって、大きく2つのタイプがあります。生命保険文化センターの説明では、次のとおりです。

項目定額型(一般勘定)変額型(特別勘定)
運用の中身公社債などが中心。予定利率が保証される国内外の株式や債券などで構成された、ファンド(特別勘定)
年金額・解約返戻金契約時の予定利率などで、年金額の水準が決まる運用実績によって変動する
リスク運用の成果が悪くても、予定利率は保証される(契約条件による)市場リスクは契約者が負う。元本割れの可能性がある

同じ「個人年金」という名前でも、債券中心の定額型と、株式を含む変額型では、中身がまったく別の商品です。「個人年金に入る」ことは、「何で運用するかを選ぶ」ことでもあるのです。

データで見る ― 債券と株式の、リスクとリターン


生命保険会社の運用成績(生命保険協会)

生命保険協会の「生命保険の動向」には、生命保険会社の一般勘定の運用利回りが、資産ごとに載っています。公社債と株式の運用利回りを、5年分並べると、次のようになります。

年度公社債株式
2019年度1.69%3.21%
2020年度1.62%5.88%
2021年度1.51%10.63%
2022年度1.51%12.01%
2023年度1.32%11.17%

※利回りは、資産運用収益から資産運用費用を差し引いた額を、日々の平均残高で割ったものです(生命保険協会の定義)。株式の利回りには、売却益なども含まれます。

公社債は、1%台前半から後半で、ほとんど動いていません。一方、株式は、3%台から12%台まで、大きく動いています。この期間は、株式の成績が良かった時期ですが、「債券は安定していてリターンが小さく、株式はぶれが大きく、リターンも大きい」という関係は、はっきり表れています。

株式のリスク ― 日経平均は、約34年かかった

では、株式は、いつも増え続けるものでしょうか。そうではありません。日経平均株価は、1989年12月29日に、終値で38,915円87銭の最高値をつけました。その後、バブルの崩壊で大きく下がり、この最高値を上回ったのは、2024年2月22日(終値39,098円68銭)。実に、約34年2か月後のことです(日本経済新聞)。

バブル期の最高値の時期に、株式を一括で買っていたら、元の水準に戻るまでに、34年かかった計算になります。これが、株式の「リスク」の大きさです。

長期・分散で、ぶれは小さくなる(GPIF)

一方で、長期の運用や、分散投資の効果を示すデータもあります。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の資料では、国内債券・国内株式・外国債券・外国株式に、25%ずつ分散して投資した場合、1年単位では、元本を下回る年があった一方、10年間保有すると、元本を割り込んだことはなかったとされています。ただし、同じ資料に、「過去のパフォーマンスは将来のリターンを保証するものではありません」と明記されています。

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「個人年金だから」ではなく、「何を買っているか」


ここまでを整理すると、次のようになります。

運用の中身リスクリターンの傾向個人年金でいうと
国内の公社債が中心小さい小さい(金利の水準に左右される)定額型(一般勘定)
株式を含むファンド大きい(元本割れもあり得る)大きくなる可能性がある変額型(特別勘定)
外貨建ての資産為替の変動リスクが加わる為替次第で大きくも小さくも外貨建ての個人年金

変額型は、運用がうまくいかなかった場合、年金の原資が、払い込んだ保険料を下回ることがあります。生命保険文化センターの説明では、「市場リスクは個人が負う」とされ、契約後の一定期間は解約控除がかかるほか、保険料や積立金から諸費用が差し引かれます。

つまり、「保険だから安心」なのは、定額型の場合の、予定利率の保証などに限られます。変額型には、保険という名前がついていても、投資としてのリスクがあります。

個人年金を考えるときの、5つの質問


契約を考える前に、確認したいこと

  • 何で運用される契約か(公社債中心か、株式などを含むか)
  • 元本割れの可能性はあるか。最低保証はあるか
  • 保険料のほかに、どんな費用がかかるか(解約控除や諸費用など)
  • いつから、どのように受け取るか。途中で解約した場合は、どうなるか
  • そのリスクを、ご自身が取れるか(いつまでに、いくら必要か)

リスクを取りたくない場合は、リターンが小さくなることを、受け入れる必要があります。リターンを求める場合は、元本割れなどのリスクを、受け入れる必要があります。どちらが正しいわけではなく、ご自身の目的と、取れるリスクで決まるものです。

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ご相談いただくときのポイント


「個人年金に入っているが、中身がよく分からない」「変額型を検討しているが、リスクが不安」という方は、保険証券や、契約前にお渡しされた「契約概要」「注意喚起情報」をお持ちください。何で運用される契約なのか、どんなリスクと費用があるのかを、一緒に整理します。投資のリスクは、ご自身が理解したうえで判断することが大切です。

よくあるご質問


個人年金は、元本割れしませんか?

契約のタイプによって異なります。定額型は、予定利率が保証されますが、中途解約した場合に、払い込んだ保険料を下回ることがあります。変額型は、運用実績によって、年金原資が、払い込んだ保険料を下回ることがあります。契約の内容は、契約概要などでご確認ください。

債券は安全で、株式は危険ですか?

債券は、一般に株式より値動きが小さく、リターンも小さいといわれます。ただし、債券にも、金利の変動や、発行体の信用などのリスクがあります。どちらが良い・悪いではなく、リスクの種類と大きさが違うという理解が大切です。

変額個人年金は、危険な商品ですか?

危険かどうかではなく、「市場リスクを契約者が負う」仕組みであることを、理解して選ぶ必要がある商品です。リスクと費用、最低保証の有無を確認して、ご自身の目的と合うかを判断しましょう。

長期で持てば、元本割れしませんか?

GPIFの資料では、4つの資産に分散した場合、10年保有で元本割れがなかったという過去の結果が示されています。ただし、過去の結果は、将来を保証するものではなく、運用対象や期間によっても異なります。

まとめ


リスクとリターンの関係は、昔から変わりません。個人年金は、その「器」であり、中身を決めるのは、ご自身です。「個人年金だから良い」「保険だから安心」と考えるのではなく、「何を買っているか」「そのリスクを取れるか」を確認して、選びましょう。

参考にした情報


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